会話が聞き取れない!
英語を学んでいる方の多くが共通して抱える悩みの一つに、「ネイティブの英会話が速すぎて聞き取れない」というものがあります。
リスニング教材や学校の授業では理解できても、いざ映画や海外ニュース、あるいは実際の会話になるとスピードについていけず、内容が断片的にしか入ってこない。そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
「単語を知っているはずなのに聞こえない」「相手が何を言ったのか理解する前に、もう次の文に進んでしまう」──このような壁にぶつかると、自分の英語力に自信をなくしてしまいがちです。
しかし、これは決して「自分の耳が悪い」わけでも「才能がない」わけでもありません。英語の音の特性や学習方法に原因があることが多いのです。
ネイティブの会話が速すぎて聞き取れない理由を3つの問題点に分け、それぞれに対する解決策をご紹介します。
問題点1:音がつながって聞こえる
ネイティブスピーカーの会話では、単語同士が滑らかにつながり、省略や音の変化が頻繁に起こります。
たとえば「going to」が「gonna」に、「want to」が「wanna」に変化するように、教科書で習った発音とは違う音で使われることが多いのです。
そのため、知っている単語であっても聞き取れない状況が生まれます。
解決策:リスニングで「音の変化」に慣れる
この問題を克服するためには、まず「単語が正しく区切られて聞こえる」という思い込みを手放すことが大切です。
シャドーイングやディクテーションを通じて、ネイティブが実際にどう音をつなげているのかを耳と口で確認しましょう。特に映画やドラマの字幕付き視聴は効果的です。
「書かれている単語」と「聞こえる音」がどのように違うのか意識することで、徐々に音の変化に慣れることができます。
問題点2:情報処理が追いつかない
ネイティブが話すスピードは、日本語に比べて情報の詰め込み方が多いと感じる人もいます。
知らない単語が出てきたり、長い文を一度に処理しようとしたりすると、理解が途中で止まってしまい、次の文を聞き逃してしまうのです。
解決策:完璧主義をやめて「要点」を拾う
すべての単語を聞き取る必要はありません。リスニングにおいて重要なのは「意味を理解すること」です。
キーワードだけを拾いながら全体の流れを推測する力を養いましょう。そのためには、ニュースやポッドキャストを「理解度70%くらい」を目安に繰り返し聞く練習がおすすめです。
最初は断片的にしかわからなくても、聞き続けるうちに「重要な単語を拾って理解するスキル」が身についていきます。
問題点3:リスニング経験が圧倒的に不足している
多くの学習者はリーディングや文法に時間を割きがちで、リスニングに費やす時間は圧倒的に少ないのが現実です。
実際にネイティブのスピードに慣れるためには、膨大なインプットが必要です。日本語で生活する環境では、英語に触れる量そのものが不足しています。
解決策:毎日「耳を英語に慣らす」習慣を作る
リスニング力は「時間の蓄積」で伸びます。毎日15分でも構いませんので、必ず英語を聞く時間を確保しましょう。
通勤時間や家事の合間に英語ポッドキャストやオーディオブックを流すだけでも効果的です。重要なのは「英語を聞くことを習慣化する」ことです。
量をこなすうちに耳が徐々に慣れ、速さへの抵抗感が薄れていきます。
まとめ
ネイティブの英会話が速すぎて聞き取れない原因は、大きく分けて「音の変化への対応不足」「情報処理スピードの問題」「リスニング経験不足」の3つに整理できます。
それぞれに対して、音の変化を意識した練習、要点を拾う訓練、毎日の習慣化という解決策があります。
リスニングは一朝一夕で劇的に伸びるものではありません。
しかし、正しい方向で継続することで確実に成長を感じられるスキルです。「すべてを聞き取ろうとしない」「聞き取れなくても気にせず流れをつかむ」──この柔軟な姿勢こそが、ネイティブのスピードに慣れる第一歩となります。
ぜひ、日常に少しずつ英語を取り入れながら、耳を鍛えていきましょう。
おすすめ書籍
『英語耳 発音ができるとリスニングができる』 (松澤喜好著)
日本人が苦手とする英語の音の変化を、体系的に学べる一冊。発音矯正とリスニング力アップを同時に狙えます。
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